神話の続編 ② 〜秋分〜
そして秋分を過ぎた昨日、続きが示された。
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男と女は付き合い始めていた。
女性は子宮に女神を宿す。
その女性自身の魂の本質としての女神性。
その女の女神性はコノハナサクヤヒメとしての質を持っていた。
男は、女と付き合い始める前、ある時から磐座のエネルギーにアクセスすることができるようになった。
それはエネルギーのコミュニケーション。
人間で言えばまぐわいに近いもの。
男はまたある時、山の神と深く繋がっていた。
ある日、女ははたと気付いて男に言った。
「今度はイワナガヒメも娶ったのね。」
男は、女と付き合いつつ、磐座との交流も続けていく、そういう流れなのだと感じた。
それから少しして、男はある神社の境内にあった大きな樹の空洞の中で、女にプロポーズをした。
それからしばらく経ったある日、男と女は石割神社の参道を登っていた。
途中にあった磐座のところで2人は立ち止まり、男は磐座と交流した。
それから2人は手を繋いだまま、もう片方の手で磐座に触れた。
その後男は女に聞いた。
「どうだった?」
すると女は顔を曇らせた。
それから女は、参道をさらに登りながらゆっくりと話し始めた。
「何かモヤモヤしたけれど、それはもしかすると古い神話の中でイワナガヒメが感じた気持ちかもしれない。」
男はその話を聞きながら直感し、そして女に話した。
「君との繋がりと磐座との交流を今まで別々に考えていたけれど、イワナガヒメも君の中にもその本質はあって、君を愛することを通してイワナガヒメとも関わっていくのがいいのかもしれない。」
そうこうしているうちに、石割神社の御神体の前に着いた。
その瞬間、パラパラと雨が舞った。
それはイワナガヒメが呼んでいるように感じられた。
それから2人で巨大な磐座のパックリと割れたその間へと入った。
その中で男が女を抱き寄せると、女は涙を流した。
しばらくして男は言った。
「君を愛してる。」
女は頷いた。
そして更に男は直感して、女に伝えた。
「この前、樹の中でプロポーズしたけど、今こうして、今度は岩の中で愛を伝えてる。」
女は言った。
「ホントだね。」
その少し前に、男と女は『籠目堂』という名前で活動を開始していた。
籠目堂という名前は直感で決めた名前であるが、この石割神社から家に帰ったその時に、はたと気付いた。
秦氏は鶴と縁がある。
更にイワナガヒメの久遠の命は、万年の亀のごとく。
即ち、この日、鶴と亀は統べったのである。
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